ニュース

ニュース

猫の病気(腫瘍:前白血病 ,骨髄異形成症候群(MDS)、)

ここ最近うちで寝ていることが多いとのことで、来院された15歳の猫ちゃんです。

普段は外にお出かけするのに、寝ている時間が多くなり、食事は少し減退しているとのことでした。

体温が39、4℃と少し高く、他に異常所見はありません。発熱があるので、まずは血液検査を行いました。白血球が3100(通常は8000〜10000)、赤血球が249万、血小板は2.6万でしたが、2日後、白血球800、赤血球255万、血小板7、2万とまず3つの血液細胞数の減少が認められ,急激な白血球の減少がその後続きました。敗血症等の重度の炎症も見当たらず、他の好中球(白血球の1つ)消費する病気が認められませんでした。

骨髄でこれら血液細胞(白血球、赤血球、血小板)が正常に作れない病気を患っている可能性があります。そのため、直接骨髄を採取する骨髄検査を飼い主さんにお勧めしたところ希望されたので実施しました。

結果は骨髄異形成症候群(MDS)でした。


 

骨髄疾患で、白血病という増血細胞が骨髄中で腫瘍性増殖した病気があります。幼若な芽球が増殖する急性白血病と、成熟な細胞が増加する慢性白血病があり、急性は進行が急速で、慢性は経過が長いです。急性白血病は人のFAB分類では、急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄芽球性白血病、骨髄異形成症候群(MDS)の3群に分けられます。

MDSは、白血球、赤血球、血小板の血球減少が認められ、高頻度に急性白血病へ進行がみられる前白血病段階の疾患です。

MDSの治療として

〇支持療法 不足する血液細胞を補う。感染予防。

 (輸血、エリスロポエチン注射→赤血球、G-CSF注射→白血球。

 抗生物質→感染予防)

〇化学療法 抗癌剤

〇造血幹細胞移植

この猫ちゃんには、抗癌剤と輸血、エリスロポエチン注射、G-CSF注射を行い、状態も改善して、良好な経過を得られています。急性白血病に移行する場合もあるので、今後も定期的な注意が必要です。

 

 

 

 

ひなあられの箱に入ってやってくるクロネコさんも骨髄検査で骨髄芽球性白血病と診断して、6年近く抗がん剤で通院中です。

 

猫ちゃんは白血病ウィルスという感染症がありますが、

実際は、リンパ腫、免疫介在溶血性貧血、免疫不全による感染症が多く、白血病を発症することは少ないです。

キャリアでも、病状を見極めれば、まだ生きられる可能性があるので、ウィルスキャリアでもあきらめないでくださいね。