ニュース

ニュース

犬の病気(腫瘍:消化管間質腫瘍(GIST)①②、平滑筋腫③、平滑筋肉腫④)

ワンちゃんも人と同様、シニア期になると消化管に腫瘍が発生する確率が高くなります。

消化管の腫瘍は、粘膜上皮に発生する腫瘍(下の図の上青〇)= 癌、腺腫(食道、胃、小腸、大腸)と、粘膜下筋層に発生する腫瘍(下青〇)= GIST(消化管間質腫瘍)、平滑筋腫、平滑筋肉腫、と、その他血液由来の腫瘍のリンパ腫、形質細胞腫、肥満細胞腫等が主なものです。

粘膜上皮に発生する悪性腫瘍→胃癌、小腸癌などの症例は以前紹介いたしました。(下のところから)

http://www.harue-vet.com/news/?p=521

http://www.harue-vet.com/news/?p=408

 

犬の粘膜下筋層(上の図の 下青〇)に発生する腫瘍(間葉系腫瘍)は消化管蠕動運動に関与するカハール介在細胞(平滑筋と神経の間に存在)が腫瘍化したGIST(消化管間質腫瘍)と、平滑筋腫(平滑筋の良性腫瘍)と平滑筋肉腫(悪性腫瘍)が一般的です。消化管内腔側ではなく、外側に向かって増殖進行するので、腫瘍が大きくなるまで、自覚症状(食欲不振、嘔吐、下痢等々)がないことは珍しくありません。間葉系腫瘍の生存期間は比較的長く、術後の予後も比較的良好なので、たとえ腫瘍が巨大化した場合でも治療をあきらめる必要がないケースが多いです。

 

以下の4匹+1匹(現在入院中)のワンちゃん達のように(GIST①②、平滑筋腫③、平滑筋肉腫④)、自覚症状がなく、検診中に偶発的に発見されるケースがあります。(平滑筋肉腫④の場合は自覚症状あり。)

 

13歳のチワワさん(①)が、肝炎の定期検診中の腹部超音波検査で小腸の3cm腫瘤を確認して、小腸を腫瘤(病理検査でGISTと診断)ごと摘出しました。術後2年近く経過しましたが、再発はありません。

 

15歳のMダックスさん(②)が、頬を腫らして来院し、歯根部の膿瘍をレントゲン検査で確認し、歯の治療に来たワンちゃんです。麻酔前検査の腹部超音波検査で腸の回盲部に3cm大腫瘤を確認した為、急遽、腸腫瘤摘出(病理検査でGISTと診断)の手術と歯の処置(抜歯+スケーリング)を行いました。術後経過は良好です。

14歳のTプードルさん(③)が肝炎、僧帽弁閉鎖不全の検診と、胆嚢摘出手術からの9か月検診で超音波検査で胃体部に2cm大腫瘤(病理検査で平滑筋腫)を発見し、胃を部分摘出し、術後再発はみとめられません。食欲もりもり、体重も戻りました。

 

9歳雑種のワンちゃん(④)は近日中に写真掲載いたします。

食欲減退、活力低下でセカンドオピニオンで雑種のワンちゃんが来院しました。

飼い主さん立ち合いで手術を行い、回盲部に10cm腫瘤(病理検査で平滑筋肉腫)を確認、摘出し、腫瘤は穿孔して化膿性腹膜炎を併発していました。

術後、再発なく、抗がん剤を行っていますが、元気です。

 

現在入院中の10歳チワワさん(⑤)は後日に。

 

お腹の中に大きな腫瘍ができても診断さえできれば、治療できる場合も多く ありますから、飼い主さんは治療をあきらめずに。こういうケースもありますので、セカンドオピニオンは、有効ですよ。