ニュース

ニュース

犬の病気(免疫、皮膚病:免疫介在性溶血性貧血、皮脂腺炎のワンチャン)

このわんちゃんは、5年前、全身皮膚がフケ、カサブタでガザガザ、毛が薄くごわごわで、元気がないと、おっしゃって、来院しました。

 現在の姿で、元気です。

身体検査で、お口の粘膜の色が白く、息づかいも荒く、おしっこも濃い目の色で、血液検査で、重度の貧血(Ht8%→通常45%)と、腎不全(BUN72.0,CRE2.8)がありました。腹部エコーで、腹部臓器の破裂はなく、脾臓が腫れて、血液塗抹検査では赤血球が球状で、骨髄が赤血球不足で一生懸命に作っているように観察されました。以上のことから、自分の免疫が赤血球を攻撃する免疫介在性溶血性貧血(その後クームス陽性)と診断して、すぐに治療を開始しました。シクロスポリン、プレドニゾロンというお薬で免疫を抑制して赤血球の破壊を止め、輸血で赤血球を補い、2週 間ぐらいで貧血は改善されました。5年経過した今も経過は良好です。

 

後頭部拡大、皮膚全体がかさぶたで毛質が固く、少ないです。

5年後の現在の後頭部は毛質が軟らかく、ふけ、かさぶたはなく、地肌はきれいです。

その後、皮膚の治療も行うために、皮膚の一部を採取して、病理検査を行い脂腺炎という結果がでました。昔はよく見かけた皮膚病で、スタンダードプードル、秋田犬が、好発犬種です。基本的な治療方法は、現在使っている免疫抑制剤と、定期的に病院内で脱脂効果があるシャンプーを使用して定期的に薬浴を行ってます。数ヶ月後には効果が出てきて、全身のフケ、カサブタが少なくなりました。5年後の現在では、耳の毛先、頭頂部も発毛して、飼い主さんが、美しいココちゃんに戻ったと喜ばれています。

ココちゃんは当院で、ピンクちゃんは30年以上付き合いがあるトリマーさんで薬浴を行っています。

このトリマーさんはなかなか向上心が強く、当院で開催している薬用シャンプー会社のセミナー、処方食セミナー等に参加されます。

 

ココちゃんと、ピンクちゃん。同じ脂腺炎で、2匹とも、やわらかい毛がふさふさになってよかったです。