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犬の病気(犬の腫瘍:腎臓癌の1例)

 

僧帽弁閉鎖不全という心臓の病気の定期健診のエコー検査で、右腎臓に腫瘤を見つけたパピヨンの子がいます。2週間後の再診では腫瘤は1cm急速に増大していました。


悪性腎臓腫瘍は進行が早く、開業して4頭ほど手術しましたが、検診の時、無症状で発見した他のワンチャん(Gレトリバー)でも、その10日後の予約した手術日には破裂して3倍の大きさになり、あまりの大きさに蓋つきのバケツで、検査機関に送ったこともあります。

飼い主さんには、悪性腎臓腫瘍の疑いがあり、転移もないので腎臓摘出術をお勧めしました。了承を得られたので、即日手術しました。病理検査は腎臓癌、マージン(-)、脈菅内浸潤(-)でした。


6ヶ月すぎた現在抗がん剤治療中ですが、食欲があり元気です。この前盗み喰いしたそうですが、嬉しくもあり、頭が痛くもありです。
腎臓癌は、平均生存期間がとても短い病気ですが、自覚症状もないフィラリア、ワクチン接種等の定期検診等で偶然発見することもあります。以前は悪性腫瘍で経過が短いと思われた患者さんでも、検診で偶然見つけた例も多くあり、経過も良好な例もあるので、病気は早期発見が大事だと感じてます。

1年以上前は手術写真をほとんど撮影していませんでした。この写真は手術室内で見学していた患者さんが撮影した写真で残っていたものです。今見直すと本当に大きかったです。飼い主さんもずっとワンちゃんを心配で手術を見守っていました覚えがあります。 201002130427