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犬の病気(犬の消化器疾患:粘液嚢腫、胆嚢破裂で胆嚢摘出)

先月、小刻みに震えて、下痢をするので受診したポメちゃんがいました。発熱、触診で痛みがあり、超音波検査で、胆嚢内にキューイフルーツ状分泌物を確認し、胆嚢の横に少量の腹水を確認しました。胆嚢破裂で漏出性腹膜炎を疑い、開腹手術を行いました。

超音波検査所見です。白い筋がある丸いものが胆嚢です。

深緑の羊羹上の1cmぐらい大きさの漏れてきた胆嚢の内容物を数個確認しました。胆嚢を確認したところ、胆嚢の根元5mmほど縦に裂けて穿孔していて、その部位と胃、大網、小腸の癒着が認められました。その癒着を取り除き、胆嚢を摘出して、胆汁の漏れたお腹を洗浄して閉じました。

 

胆嚢が癒着していた胃です。中指の左横の赤い円盤上のえぐれているところに胆嚢基部の漏れていたところがありました。

ガーゼの上には胆嚢と、漏れた内容物が乗っています。

術後、腹膜炎も無く、状態も良くなり、現在はとても元気とのことです。
胆嚢疾患は、人と同じで、犬も多い病気です。(多い時は、当院で年間30頭以上胆嚢を摘出する年もありました。)

胆嚢粘液嚢腫は、無症状で、健康診断、フィラリア予防の時期によく見つける病気です。昨年は、フィラリア予防で来院されて超音波検査で、粘液嚢腫を確認したその3日後、起立困難、よだれを出し、お腹で息をして苦しそうに来院したシェルティーさんがいます。その子はすぐ胆嚢摘出手術を行い一命をとりとめました。 その時の飼い主さんは、手術室内で、一生懸命手術を見学して、我が子の無事を見届けていました。ポメさんの飼い主さんが、手術室のガラス越しにずっと手術を見守っていたことは手術室内のスタッフ全員が気づいていませんでした。椅子もお出しせずに申し訳ございませんでした。

この子は、多臓器不全を起こして、一時は危ない様子でしたが、現在は元気です。

胆嚢をとっても、特に異常はなく、通常の生活を送れます。

4~6月限定でフィラリア、のみ、マダニ予防で来院されたわんちゃん、ねこさんの飼い主さんに、予防薬(チュアブル、スポットタイプ、錠剤)7か月分購入すると、1か月分無料でプレセントいたします。今年はまだ余っているみたいなのでお早めにどうぞ。