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猫の高血圧症(眼科:網膜剥離、眼球内出血)

消化管型の高分化型リンパ腫、慢性腎不全で治療中の16歳おばあちゃん猫ちゃんが、「目が丸くなり、動きがあまりない。」ということで来院されました。

ネコちゃんは両目とも瞳孔が散瞳し、右目の眼球は前眼房、眼底出血を確認しました。

(下画像の右目→)

眼底検査では、右目網膜が張って浮いていることを確認、超音波検査で、網膜が一部島状に剥離している所見を確認しました。

{網膜剥離、眼球内出血(網膜、虹彩血管)}は、

 ①高血圧

 ②2次性高血圧

   慢性腎不全、甲状腺機能亢進症、糖尿病、心疾患

 が原因で起こることが多いです。

 この子は、甲状腺ホルモン値、血糖値は正常で、慢性腎不全から高血圧を招いていると考えられます。

 腎不全の治療と降圧剤での治療を始めて、目の瞳孔は正常に改善し、眼底の出血は止まり、虹彩の出血個所は進行せず、動きもよくなりました。

高血圧は脳血管、心臓等の大切な臓器に負担がかかり、生命の危険がある状態でもあるので、年老いた猫ちゃんの目は時々観察してみてくださいね。実は、高齢のネコちゃんは、診察中に偶然見かけることもあります。