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犬、猫の病気(腫瘍:猫の膀胱移行上皮癌)

頻尿、血尿で来院する子たちが多い中、このネコちゃんもやってきました。

「うちの子、血尿なんです。」

診察でお話を伺っていると、膀胱という臓器に問題がありそうなので、まず、腹部超音波検査を行いました。

膀胱の内部所見は、粘膜という表面の組織に6×20mmほどの腫瘤が確認できました。位置は、膀胱の背側、尿管近くではありましたが、外科的に切除できる範囲でした。その他の腹部臓器に異常はなく、遠隔転移は認められませんでした。

飼い主さんには、膀胱に腫瘍の疑いがあり、悪性腫瘍が多く、超音波検査では、粘膜にとどまって早い段階で見つけているので、今後治療しなかった場合、進行した時、排尿痛で排尿ポースをずっと取っていたり、血尿が止まらなくなり、通常の生活を送るのにつらい思いをさせてしまうとお話をしました。その状態を阻止するために、膀胱を半分近く切除する手術することをお勧め致しました。

後日、飼い主さんから、手術を選択するとお電話をいただきました。

手術にて、膀胱の半分近く切除しました。

病理検査で、移行上皮癌、血管内浸潤(-)、マージン(-)でした。手術で取り切れていました。

移行上皮癌は、進行する悪性腫瘍です。

術後、再発転移を予防するために、カーボプラチンという抗がん剤での化学療法と、ピロキシカムという消炎鎮痛剤を使用しています。経過は良好で血尿もなく、いつも通りの大食いだそうです。

膀胱の移行上皮癌はワンちゃんもできる腫瘍で、現在経過良好なプードルさん、チワワさんもいます。

血尿=膀胱炎ではありません。血尿は、膀胱腫瘍、腎臓腫瘍等でも、起こることです。

これらの病気は進行すると治療の選択肢が少なくなりますので、お早めにご相談ください。